B型肝炎訴訟の必要書類

前項までに提訴のための準備について説明してきましたが、ここでは提訴のために原告が準備しなければならない必要書類の詳細について具体的に説明していきます。

ただ、B型肝炎訴訟の考え方で最も重要なポイントは、国による集団予防接種・ツベルクリン反応検査でB型肝炎ウイルスに感染したことを証明することではありません。

現実に医学的見地から、それを証明することは不可能に近いことだからです。

したがって、裁判所の和解協議に於いては、提訴の最低条件3つを含めて集団予防接種等で感染した以外に感染源が考えられない場合、国は和解に応じています。

つまり、少なくとも提訴の最低条件の1つ目と2つ目に該当する場合は、他の条件が揃わなくとも諦めないことが大事なのです。

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提訴の最低条件3つを証明する書類

提訴の最低条件3つを証明する書類は具体的に何があれば良いのでしょうか?

感染を示す書類

まず、提訴の最低条件1つ目はB型肝炎ウイルスに持続感染していることですが、以下の書類が必要になります。

医療機関による血液検査で「HBs抗原陽性」、「HBe抗原陽性」、「HBc抗体陽性」(高力価)、「HBV-DNA陽性」(6ヶ月以上の間隔をあけた連続した2時点における検査結果)、を示す検査結果が必要になります。

ちなみに、それぞれの意味は下記のとおりです。

  • 「HBs抗原陽性」B型肝炎ウイルスに感染しウイルスが肝臓に住み着いている状態を示す
  • 「HBe抗原陽性」血中のB型肝炎ウイルス量が多く感染力が高い状態を示す
  • 「HBc抗体陽性」(高力価)は高値の場合はB型肝炎ウイルスに感染した状態で低値の場合はかつて感染したことを示す
  • 「HBV-DNA陽性」B型肝炎ウイルスが増殖している状態を示す

したがって、上記の血液検査結果が1つ以上表れた場合、B型肝炎ウイルスに持続感染していることが証明されます。

通常、6ヶ月以上の間隔をあけた連続した2時点における血液検査結果が陽性であれば持続感染と判断されますが、6ヶ月以上の間隔が無い場合でも持続感染と判断される場合があります。

例えば、1時点の検査結果しか残っていない患者が、診療期間が6ヶ月よりも短い間に死亡したケースです。

このようなケースの場合、担当医の意見に基づいた医学的知見を踏まえた個別判断が必要となります。

生年月日を証明する書類

2つ目は1941年7月2日~1988年1月27日の間に生まれていることですが、以下の書類が必要になります。戸籍謄本・住民票付表などを準備すれば上記を証明することができます。

集団予防接種・ツベルクリン反応検査を受けた証明

3つ目は満7歳までに集団予防接種・ツベルクリン反応検査を受けたことの証明ですが、以下の書類が必要になります。

まず、当時の「母子健康手帳」を保存している場合や「予防接種台帳」に記載があれば、問題の期間に集団予防接種を受けたことが証明できます。

しかし、それらの書類が残っていない場合は、親か本人が事情を説明した「陳述書」、接種痕が確認できる旨の「医師の意見書」で証明したと見なされます。

また、該当時期の予防接種台帳を保存している市区町村に居住歴がある場合で予防接種台帳に記載がない場合は、その証明書(当該市区町村において発行)が必要となります。

さらに、小学校の卒業証書などの在籍や卒業を示す書類も、状況証拠として必要になる場合があります。

 

提訴の最低条件3つ以外に求められる書類

最低条件3つ以外に求められる書類は何でしょうか?

上記の最低条件3つを補完する資料として以下の書類を求められることが多くなっています。

つまり、B型肝炎ウイルスの持続感染の原因が、満7歳までに受けた集団予防接種・ツベルクリン反応検査であることの証明を補完する状況証拠ということです。

母子感染でないことを証明する書類

1つ目は母子感染でないことを立証するために、原告の母親が「HBs抗原」陰性かつ「HBc抗体」陰性(または低力価陽性)であることの検査結果です。

原告の母親が「HBs抗原」陰性かつ「HBc抗体」陰性ということは、原告の母親がB型肝炎ウイルスに持続感染していないことを意味します。

したがって、原告は母子感染ではないということになります。ただし、「HBc抗体」陽性でも低力価陽性の場合は持続感染とは見なされません。

他に感染源が無いことを示す状況証拠

2つ目は集団予防接種・ツベルクリン反応検査以外に感染源が無いことを示す状況証拠です。

例えば、両親の血液検査結果は勿論ですが輸血の経験の無いことなどを、過去の一定期間のカルテなどの医療記録で示す必要が出て来る場合があります。

また、原告の母親がB型肝炎ウイルス持続感染である場合は多くのケースで救済の対象になりませんが、父親が持続感染である場合は救済の対象になる場合があります。

国内のB型肝炎ウイルスのDNAを分析するとジェノタイプAeのB型肝炎ウイルスは、1996年以降に国内の感染例が報告されています。

つまり、ジェノタイプAeのB型肝炎ウイルスは集団予防接種以外の要因で感染した可能性が高いと言えます。

したがって、原告の父親がB型肝炎ウイルス持続感染であってもジェノタイプAeのB型肝炎ウイルスであり、原告のB型肝炎ウイルスがジェノタイプAeでなければ原告は父子感染ではないと言え救済の対象になる場合があるのです。

この辺りの判断は非常に微妙な判断となりますので、担当の弁護士とよく相談する必要があります。

 

二次感染者・三次感染者が救済要件を満たすことを証明するための書類

二次感染者・三次感染者に必要な書類は何でしょうか?

ここでの二次感染者・三次感染者とは、原告の母親(又は父親)が集団予防接種により感染したB型肝炎ウイルス感染者であることが認められた場合です。

原告の母親(又は父親)が集団予防接種により感染したB型肝炎ウイルス感染者であることが認められた場合は、原告は救済の対象に含まれるからです。

必要書類の1つ目は原告の母親(又は父親)が、上記のB型肝炎ウイルス感染者の要件を満たす書類を準備しなければなりません。

そして、2つ目は二次感染者・三次感染者である原告本人が、B型肝炎ウイルス感染者の要件を満たす書類を準備しなければなりません。

3つ目は二次感染者・三次感染者である原告本人が母子感染(又は父子感染)であることを、医学的に証明する書類が必要となります。

例えば、二次感染者・三次感染者である原告本人が出生直後にB型肝炎ウイルスに持続感染していたことを示す書類や、二次感染者・三次感染者である原告と母親のB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較した血液検査結果の診断書などです。

最後に提出するカルテなどの医療記録についてですが、「基本合意書」において以下の原則が示されています。

①直近の1年分の医療記録
②持続感染の判明から1年分の医療記録
③最初の発症から1年分の医療記録
④入院歴がある場合には入院中のすべての医療記録

通常、上記のカルテなどの医療記録は、病院にもよりますが申請してから2週間以上待たされる場合が多くなっています。

また、過去の医療記録が必要な場合、病院が無くなっている場合や統合された場合も少なくありません。

つまり、カルテなどの医療記録を取り寄せるには時間が掛かります。

したがって、提訴するのであれば弁護士との相談と並行して、病院に医療記録の申請をしておくとスムースです。

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      2016/06/29

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