現在の不十分なB型肝炎医療費助成制度の内容

B型肝炎訴訟の原告被害者は国・厚生労働省との訴訟に和解し給付金を受け取っても、B型肝炎との闘いが終わる訳ではありません。

特に、B型肝炎由来の慢性B型肝炎や肝硬変・肝臓癌の患者にとっては、一生、治療を継続しなければなりません。

この章の最後に現在の不十分なB型肝炎医療費助成制度の内容と今後の課題を記します。

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現在のB型肝炎医療費助成制度の内容

国・厚生労働省は2011年6月のB型肝炎訴訟和解「基本合意書」の中で、

「医療費助成等必要な施策を講ずるよう引き続き務めるものとする」

と約束しています。

しかしながら、これまでに国・厚生労働省が行ってきた医療費助成制度は不十分な制度と言わざるを得ません。

これまで国・厚生労働省が医療費助成制度を小出しにしてきたことで、制度が非常に解り難いばかりか申請手続が非常に煩雑で使い勝手の悪い内容だからです。とても、B型肝炎由来の慢性B型肝炎や肝硬変・肝臓癌という重い疾患を抱えた患者のための医療費助成制度とは言い難く、役人が机上で仕方なく作った医療費助成制度という表現がピッタリの内容なのです。

以下、現在のB型肝炎医療費助成制度の内容と申請手続方法を記します。

現在、厚生労働省と都道府県ではB型・C型肝炎のインターフェロン治療及び、C型肝炎のインターフェロンフリー治療並びにB型肝炎の核酸アナログ製剤治療に対する医療費助成を行っています。

医療費助成内容は患者の世帯の市町村民税課税年額に応じ、その自己負担限度月額を原則1万円(上位所得階層は2万円)に軽減するというものです。

つまり、患者にとっては月額の医療費自己負担限度額が1万円(上位所得階層は2万円)になるということです。

B型肝炎に対する治療

  1. インターフェロン又はペグインターフェロン単剤
  2. 核酸アナログ製剤

C型肝炎に対する治療

  1. インターフェロン又はペグインターフェロン単剤
  2. インターフェロン又はペグインターフェロン+リバビリンの併用
  3. ペグインターフェロン+リバビリン+プロテアーゼ阻害剤 の3剤併用
  4. インターフェロンフリー治療

只、医療費助成制度は感染経路を問わずB型・C型肝炎患者に対して行う助成ですので、血液薬剤投与のカルテなどは不要ですがインターフェロン治療及びインターフェロンフリー治療並びに核酸アナログ製剤治療を必要としていることを示す診断書など、以下のような書類が必要となります。

(必要書類)

  1. 肝炎治療(インターフェロン治療、インターフェロンフリー治療又は核酸アナログ製剤治療)受給者証交付申請書(発行:お住まいの都道府県)
  2. 医師の診断書(発行:かかりつけ医など)
  3. 患者の氏名が記載された被保険者証等の写し(発行:各保険者)
  4. 患者の属する世帯の全員について記載のある住民票の写し
  5. 市町村民税課税年額を証明する書類(4. 5.発行:お住まいの市町村)

また、肝炎ウイルス検査につきましては、現在、都道府県や特別区などが無料で実施する特定感染症検査等事業と市町村が40歳以上を対象に実施する健康増進事業のほか、民間企業や健康保険組合で独自に行われている無料健康診断などがあります。

しかし、ある調査によりますと受診率は対象者の10%程度とのことで、受診率を上げるための実効性のある新たな施策が必要と考えられます。

 

B型肝炎恒久対策について

全国B型肝炎原告団では、どの様なB型肝炎恒久対策を求めているのでしょうか?

前項でも触れましたが国・厚生労働省は2011年6月のB型肝炎訴訟和解「基本合意書」の中で、

B型肝炎患者が不当な偏見・差別を受けることなく安心して暮らせるよう啓発・広報に務めるとともに、肝炎ウィルス検査の一層の推進・肝炎医療の提供体制の整備・肝炎医療に係る研究の推進・医療費助成等必要な施策を講ずるよう引き続き務めるものとする

と約束しています。

しかしながら、国・厚生労働省は政策実行のスピード感に著しく欠けていると言わなければなりません。

私達、患者被害者から見ると病気の進展のスピードの方が早いため、いつになっても満足した医療費助成を受けられないというのが正直な感想なのです。

そこで、現在、全国B型肝炎原告団では以下のB型肝炎恒久対策を厚生労働大臣に求めています。

①肝炎ウイルス検査の体制整備に関する要求

肝炎ウイルス検査の体制整備と受検の促進
出張型検診や特定の年齢以上の者に対する個別勧奨
職域におけるウイルス検査の推進
陽性者のフォロー体制の充実

②肝炎医療の助成に関する要求

肝硬変・肝臓癌患者の入院費・手術費などの治療助成
核酸アナログ製剤治療の助成の拡充
核酸アナログ製剤治療の検査費の助成

③肝炎医療を提供する体制の確保に関する要求

肝炎支援手帳普及促進

④啓発・知識の普及・人権の尊重に関する要求

⑤肝炎患者の障害者認定に関する要求

現在の厳しすぎる認定基準の緩和

⑥治療と就労の両立に関する要求

⑦新薬・新治療法の研究開発に関する要求

上記の通りB型肝炎由来の慢性B型肝炎や肝硬変・肝臓癌の患者の入院費・検査費については、早急に医療費の助成が求められます。

特に、肝硬変・肝臓癌患者は入退院を繰り返し、再発率が高い肝臓癌は何度も手術をしなければならない患者も少なくありません。

それらの患者の年間医療費は数百万円に達する場合もあり、実効性のある医療費助成が求められます。
全国B型肝炎原告団の要求が一日でも早く実行されることを、切に希望したいと思います。

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      2016/07/01

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