感染後約40年でB型肝炎発症

私は1997年にB型肝炎急性増悪と診断され2週間入院しました。

これは全く考えてもみなかったB型肝炎の発症で、私の長いB型肝炎との闘いの始まりでした。本項ではB型肝炎キャリアーだった私が、初めてB型肝炎を発症した経緯を詳しくお話しします。

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健康診断ではB型肝炎を発症することは無いと言われていた

私は1977年に大学を卒業後、都内の金融機関に就職しましたが、会社の新入社員健康診断でB型肝炎に感染していることを知りました。

その後も毎年の様に健康診断で同様の指摘を受けましたが、どの医師も

「感染はしていますが発病する心配は殆どありません」

と同じことを言ったのを覚えています。

そして、数年後の人間ドックで詳しい血液検査を行った方が良いとの指摘を受け再検査したところ、

「あなたの場合は既に体内に抗体ができているので発症することも無ければ、他人に感染することも無い」

と言われホッとしたのを覚えています。

その後、結婚しましたが家内に感染させることもなく、私の中ではB型肝炎は既に完治した病気という感じになっていました。

ところが、入社20年目の1997年に微熱と倦怠感が1週間以上も続いたので病院に行きました。

もともと、それまでは風邪で会社を休むことも無く、稀に休むとすれば飲み過ぎで二日酔いの時と決まっていたほど病気知らずだったのです。

ですので、微熱と倦怠感が1週間以上も続く経験は初めてで、最初は出社していましたが家内の勧めもあり病院に行きました。

現在は設備の整った病院であれば血液検査は1時間ほどで結果が出ます。

しかし、当時はどこの病院でも1週間後に検査結果が出るシステムでした。ですので、1週間後に病院に行く予定にしていましたが、3~4日後に急に病院の担当医が直接電話を掛けて来て

「肝臓の状態が悪いので直ぐに入院してください。今からでも良いですよ」

とのことでした。

近所の病院でしたので直ぐに入院しました。

その病院は地域の中規模病院でしたが、週に1回大学病院から肝臓の専門医が来ていました。

その肝臓の専門医曰く

「B型肝炎急性増悪です。現在のASTとALTの数値は100程度ですが、今後、急激に上昇する可能性もありますから安静が必要です」

とのことでした。

B型肝炎急性増悪の入院治療

B型肝炎急性増悪の入院治療はどんな治療を行うのか?

初期のB型肝炎急性増悪で重視される治療は安静を保つことです。

現在も同じですが入院時の安静には2通りあり、絶対安静とベッド上安静があります。絶対安静は排尿は尿管カテーテルで排便はおまるかオムツになり、ベッドから離れることはできません。

一方、ベッド上安静はトイレ以外はベッド上で過ごすということになります。

私の場合は微熱と倦怠感が1週間以上も続きましたが寝込んでいた訳ではありませんでしたので、ベット上安静は「少し大げさだな」という印象でした。

後に2度目のB型肝炎急性増悪の時に劇症肝炎の手前まで行きASTとALTの数値が1万を超えたことがありますが、今から思うと担当の肝臓の専門医はB型肝炎急性増悪が悪化して劇症肝炎になることを恐れていたのだと思います。

ただ、当時はそんなことも知らずベット上安静を「少し大げさだな」と思いながら、2週間の入院生活を過ごしたのを覚えています。

そして、B型肝炎急性増悪の入院治療の1つ目は、強力ミノファーゲンの注射を1日1回行うのと点滴を行うことでした。

強力ミノファーゲン注射は、もともと肝炎の治療薬として古くから使用されてきましたが肝炎を根治できる薬ではありません。

強力ミノファーゲンは漢方の「甘草」から抽出されるグリチルリチンを主成分としており、グリチルリチンには細胞膜の再生を促進したり肝機能を改善させる効果があります。

また、抗炎症作用・免疫調整作用・肝細胞保護作用などが期待できますが、B型肝炎ウィルスを直接、死滅させたり増殖を抑制する作用はありません。

入院治療の2つ目はB型肝炎ウィルスの増殖を抑える治療で、現在は抗ウィルス薬(核酸アナログ製剤)の投与が主流です。

もともと、B型肝炎は肝炎ウィルスの毒素で肝細胞が破壊される訳ではありません。

肝炎ウイルスを異物と判断した自己の免疫システムが肝炎ウィルスが潜む肝細胞を攻撃することで、肝細胞が炎症を起こし死滅してしまう病気です。

血液検査の数値で必ず登場するAST・ALT(以前はGOT・GPT)は肝細胞が破壊されたことを示す数値なのです。

したがって、B型肝炎ウィルスの増殖を抑えることが肝炎を鎮静化させることに繋がる訳ですね。

一方、B型肝炎ウィルスは肝細胞に入りこむと、肝細胞にある成分を巧みに利用してB型肝炎ウィルスを増殖させます。

その際に人の遺伝子に組み込みを行って、一生涯そのあとを残すことが出来る仕組みも持っています。

そこで、抗ウィルス薬(核酸アナログ製剤)はこの増殖の部分でウィルスの遺伝子を合成する部分を邪魔して、ウィルスの増殖を抑える効果が期待できます。

B型肝炎ウィルス用の抗ウイルス薬としては、ゼフィックスが初めて保険適応になった抗ウィルス薬でした。

しかし、ゼフィックスは耐性ウィルスが出現する問題があり、3~5年で効果が無くなってしまう患者が出ました。

そこで、耐性ウィルスに対する抗ウィルス薬として登場したのがヘプセラという薬です。

この2種類の抗ウィルス薬がしばらく使われていましたが、最近、開発されたバラクルードという薬は耐性ウィスルが出現しづらいと言われているため、B型肝炎抗ウィルス薬として最初に投与する場合はバラクルードを選択するようになっています。

一度でもB型肝炎を発症した患者は、上記のB型肝炎抗ウイルス薬(核酸アナログ製剤)を一生飲み続けなければなりません。

私の場合は最初の発症後ゼフィックスを服用し始め、2度目の発症後はゼフィックスとへプセラを服用していました。

現在はバラクルードを服用しています。

そして、B型肝炎急性増悪の根治が期待できる積極的な治療法はインターフェロン治療です。

インターフェロン治療は免疫系に働き掛け、肝炎ウイルスの増殖を抑え肝炎ウイルスを破壊する効果があります。

ただし、インターフェロン治療は遺伝子のタイプにより、B型肝炎では約30%の患者にしか効果がありません。

また、強い副作用を伴う治療であることと、保険適用ではないため医療費も高額で患者の自己負担額は年間約80万円に上ります。

最後にB型肝炎の予防策としてWHO(世界保健機構)ではB型肝炎ワクチンの接種を推奨しています。

B型肝炎ワクチンはすべての出生児が、出生後可能な限り24時間以内にB型肝炎ワクチンを受けるよう勧めています。

出生時投与に2回か3回の追加投与をして初回の一連接種を完結させた場合、幼児・小児・若年成人の95%以上で保護できるレベルの抗体を誘導できます。

この免疫力は少なくとも20年~生涯持続すると考えられます。

B型肝炎発症の遠因

素朴な疑問としてB型肝炎発症のメカニズムは解明されているのでしょうか?

残念ながら現在のところB型肝炎発症のメカニズムは解明されていません。

仮にB型肝炎発症のメカニズムが解明されればB型肝炎を根治できる特効薬が開発される筈ですが、現在のところB型肝炎を根治できる特効薬はありません。

唯一、インターフェロン治療で約30%の患者に効果が認められています。

したがって、乳幼児期に受けた集団予防接種によってB型肝炎に感染した私が、何故、43歳でB型肝炎急性増悪を発症したのかは現在の医学では解明されていません。

ただ、人間の免疫系も常に強いバリアを張り巡らせている訳ではなく、体調や周囲の状況によって免疫系のバリアにも強弱があるそうです。

また、体内や肝細胞内に潜むB型肝炎ウィルスも、鎮静化する時期と増殖する時期を交互に繰り返しているそうです。

したがって、それらの波が不幸なタイミングで交わった時に、運悪く発症してしまうのかもしれません。

私の場合には42歳で初めての転職を経験した約1年後にB型肝炎急性増悪を発症したのは、偶然では無かったのかもしれません。

しかしながら、8年後の2005年に再びB型肝炎急性増悪で2ヶ月間入院しましたが、この2回目の発症のメカニズムは1回目よりも明確です。

2回目の発症は服用していた抗ウィルス薬(核酸アナログ製剤)ゼフィックスの耐性ウィルスにより発症した可能性が高いからです。

このことは大学病院の担当の肝臓専門医も認めているところです。

しかし、何故、8年後の2005年にゼフィックスの耐性ウィルスが活性化したのかについては、大学病院の担当の肝臓専門医と患者である私の見解は異なっています。

実は私は1997年に1回目のB型肝炎急性増悪を発症しましたが、その3年後の2000年に重症筋無力症を発症し6ヶ月間入院生活を余儀なくされました。

重症筋無力症は原因不明の難病に指定されていますが、私は幸い6ヶ月で社会復帰することができました。

ただ、その間、自己の免疫系バリアを低下させるためにステロイド剤を大量に服用しました。

重症筋無力症は免疫系の疾患であるため、免疫系バリアを低下させることで症状が収まる場合があるからです。

この時、私は重症筋無力症の担当医と肝臓の担当医にステロイド剤の大量服用が、B型肝炎の再発に繋がらないか確認しています。

両担当医は明確にステロイド剤の大量服用は、B型肝炎の再発に繋がらないと明言しています。

そこで、2005年に2度目のB型肝炎急性増悪が回復した後で、そのことを肝臓の担当医に問い正したところ以下の回答がありました。

「貴方のB型肝炎ウィルスは肝細胞の核の中に潜んでいたと思われます。何故なら、血液検査では再発の恐れのあるウィルス量は検出されていなかったからです。

つまり、ステロイド剤の大量服用がゼフィックスの耐性ウィルスを活性化したのではなくて、貴方のB型肝炎ウィルスの特殊性により肝細胞の核の中に潜んでいた耐性ウィルスが活性化したと考えられます」

とのことでした。

私にとっては納得できない回答でしたが、それ以上の追及はしませんでした。

いずれにしても、本項の最後に申し上げたいことは、B型肝炎は一筋縄では対応できない病気です。

ですので、感染が見つかった場合は肝臓の専門医を訪ねることと、その後の経過にお

いてはたとえ肝臓専門医であっても診断を鵜呑みにしないことです。
つまり、一般の医院やクリニックの医師は論外ですが、
たとえ肝臓の専門医であってもセカンドオピニオンを求めるくらいの慎重さが必要です。
B型肝炎は発症や再発してからでは取り返しがつかない恐ろしい病気だからです。

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      2016/07/30

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