和解金で全てが癒されることはない

B型肝炎訴訟に和解して和解金を受け取りましたが、そもそも、和解金は何に対するお金なのでしょうか?

そこには、これまでのB型肝炎治療費や薬代などに加えて、精神的な苦痛に対する慰謝料も含まれていると考えられます。

しかしながら、被告である国・厚生労働省と原告被害者との間には、微妙な解釈の違いがあります。

通常、損害賠償請求訴訟の和解金には慰謝料の金額が含まれますが、被告である国・厚生労働省は和解金ではなく給付金と呼び、あくまでも給付金を支給するという立場を取っています。

d5ca88a71d51fa0d33d686b9661bd21b_s

国・厚生労働省は給付金と表現している

国・厚生労働省の立場はどの様な立場でしょうか?

まず、B型肝炎訴訟についての厚生労働省のホームページを見て頂きたいと思います。

その最初には大きな文字で、

「B型肝炎訴訟について(救済対象の方に給付金をお支払いします)

と書いてあります。

あたかも、この表現はB型肝炎の被害者を国・厚生労働省が救済し給付金を支払うかの様な書き方です。また、国・厚生労働省のホームページには給付金について以下の様な説明があります。

給付の対象となる方の認定は、裁判所において救済要件に合致するかどうか証拠に基づき確認していくこととなります。

このため、この給付金を受け取るためには、国を相手とする国家賠償請求訴訟を提起して国との間で和解等を行っていただく必要があります。

中略・・・ 裁判上の和解等が成立した方に対し、法に基づく給付金等を支給することになりました。

つまり、国・厚生労働省の立場は、国家賠償請求訴訟を提起して国との間で和解等を行った場合に救済するという立場です。

そこには、2011年B型肝炎訴訟和解基本合意書で示された「国の責任を認め謝罪すること」という要素は抜け落ちています。

そのために、和解金という表現を用いずに給付金という表現を用いているのではないでしょうか。

官僚が作成するこの種の公文書には、あらゆる観点から見て国・厚生労働省にマイナスイメージを持たれない工夫が施されている筈です。しかしながら、一般的に意味する和解金の意味は給付金とは大きく異なっています。

一般的な和解金の意味とは

一般的に和解金とは裁判などの紛争に関する全般的な解決金を意味します。

したがって、和解金には慰謝料の意味合いの金額が含まれているということになります。慰謝料は苦しみや悲しみのような精神的苦痛に対する賠償金額を意味します。

つまり、国・厚生労働省が使っている給付金という文言には、この慰謝料の意味合いは認められません。また、一般的に和解金と同じ意味で使われる示談金は民事上の紛争を裁判という形ではなく民民の合意で解決したことを意味し、和解金と示談金はほぼ同じ意味で使われています。

したがって、和解金と示談金はほぼ同じ意味で、しかも、和解金と示談金には慰謝料の意味合いが含まれます。

これらを理解した上で考えますと、国・厚生労働省がどうして給付金という言葉を使っているのかが見えてきます。

B型肝炎訴訟における和解金の意味

私達、原告被害者の立場で考えますと、当然のことながら、和解金は集団予防接種とツベルクリン反応検査によってB型肝炎に感染した原告被害者に対する全般的な解決金を意味しますが、そこには私達、原告被害者に対する国・厚生労働省からの慰謝料の意味合いが含まれていなければなりません。

それが、2011年B型肝炎訴訟和解基本合意書で示された基本方針である筈だからです。

2011年B型肝炎訴訟和解基本合意書ではB型肝炎訴訟の対象者を以下に限定しています。

昭和23年から昭和63年までの間に受けた集団予防接種等(予防接種またはツベルクリン反応検査)の際に、注射器(注射針または注射筒)が連続使用されたことが原因でB型肝炎ウイルスに持続感染した方

つまり、上記の期間は勿論ですが昭和23年以前に於いても、国や厚生省は少なくともB型肝炎の感染と注射器の使い回しとの関係を知りながら適切な対応を怠っていた訳です。

つまり、当時の国や厚生省の役人の不作為(適切な対応を怠ったこと)により、集団予防接種で多くの人がB型肝炎に感染したということを裁判所は認定しています。

したがって、和解金(国・厚生労働省の言う給付金)には、当然、当時の国や厚生省の役人の不作為に対する慰謝料の意味合いが含まれていると考えるのが普通です。

ですので、厚生労働省のホームページにある「B型肝炎訴訟について(救済対象の方に給付金をお支払いします)」という表現に、違和感を覚えるのは私だけではないと思っています。

おすすめB型肝炎訴訟弁護士ランキング

ベリーベスト法律事務所

弁護団に加盟している弁護士事務所ではありませんが、B型肝炎訴訟の実績は非常に多い事務所です。相談から調査、着手してもらうところまで無料で、スムーズに進めてもらうことができました。よくわからない場合には給付金診断チェックをしてもらい、まずは提訴できるのかどうかを調べてもらってください。

弁護士費用 実質負担・給付金額の10%+5万円

      2016/07/31

 - エピローグ

私が依頼した弁護士事務所
B型肝炎給付金無料診断中